DGフィナンシャルテクノロジー改善計画

FTセグメント価値は、DGの他の事業をすべて除いて計算すると513億円となる。これは、FY2 PERが12.5倍であることを意味し、年率20%で利益が成長するビジネスに適用されるべき倍率ではない。

明確な成長計画があれば、FTセグメントは再評価される可能性がある。

FTセグメントにおける営業機能の強化

複数の専門家がDGの営業オペレーションに問題があると指摘。

GMO PGにおいて従業員数の伸びが売上高の成長を牽引してきた。DGは、事業の成長に向けて、営業人員やプロジェクト・マネジメント人員の採用をさらに加速させるべき。

DGの営業部門の課題として、営業担当者が新規顧客を獲得する際に、プロジェクト・マネージャーを兼任する傾向があり、新規顧客の追加獲得が難しいことが挙げられる。DGは、プロジェクト・マネジメントに特化した部署を作り、営業担当者のリソースを空け、新規顧客の獲得につなげるべき。

DGは現在、各分野に特化した営業チームを擁していない。製品は、分野別のカスタマイズが必要であるため、各分野に精通した営業チームを再構築することが必要。

営業にもっと力を入れれば、DGの利益は150%成長する可能性がある。

決済代行事業に精通した取締役の採用

現在のDG取締役会には、決済代行事業の専門家がいない。FTセグメントをよりよく管理し、成長に対する責任を果たせる人物を役員に加えるべきだと考えている。また、営業部門のマネジメントに強みを持つ人であれば、価値を大きく高めることができるだろう。

MTセグメントとFTセグメントのシナジーの発揮

中核のFTセグメントの従業員数は、全従業員の26%を占めるに過ぎない。DGは、MTセグメントから、FTセグメントへの人材再配置を検討すべき。

DGファイナンシャルテクノロジーは、シナジーを実現することで、さらなる価値を創造できる。MTセグメントによるマーケティングの支援によって顧客の売上が上昇すれば、FTセグメントにおける決済取扱高も上昇する。

明確なガイダンスの設定

DGは、業績が不安定なITセグメントの影響により、正式なガイダンスを公表することができない。しかし、会社をDGフィナンシャルテクノロジーとDGインベストメンツに分けた後は、この限りではない。

DGファイナンシャルテクノロジーは、ボトムアップ・アプローチによるガイダンスを作るべき。これにより、経営者のガイダンスへのコミットメントがさらに高まる。DGは漠然としたガイダンスしか持っていなかったため、コミットメントが低く、収益目標も低かった。

キャピタルゲインによる株主還元

DGファイナンシャルテクノロジーはキャピタルゲインによる株主還元に焦点を当てるべき。この事業は年率25%の利益成長が可能であり、DGファイナンシャルテクノロジーが事業に再投資することが最も理にかなっていると考えている。

GMO PG が過去5年間において達成した株価上昇をDGファイナンシャルテクノロジーも達成できると信じている。

DGファイナンシャルテクノロジーの改善計画が実施された場合、DGファイナンシャルテクノロジー の株価は一株当たり 5,226円と試算される。