オアシスは、2020年以降、株式会社デジタルガレージ(以下、「DG」という。)と積極的に対話し、これまで経営陣と複数回のミーティングを行い、書簡も複数回送ってきた。

日本におけるキャッシュレス化の進展は、DGを含む決済代行事業者にとって、千載一遇の成長機会である。経済産業省の発表によると、現在、日本は世界において最も現金が使われている国の一つであり、決済の32.5%しかキャッシュレス化されていない。しかし、日本政府は日本のキャッシュレス決済比率を将来的には80%にすることを目標としている。 このきわめて重要なキャッシュレス化への消費者行動のシフトは、新型コロナウィルスのパンデミックにより加速しており、今後も継続的に成長することが見込まれる。DGはこの潮流の変化から恩恵をうけるために今行動をおこすべきである。

決済システム市場は、現在の23.0兆円から今後4年間で33.8兆円に成長すると想定されている。DGは、決済サービスプロバイダーとして金融テクノロジー分野で確固たる地位を築いており、この機会を逃すわけにはいかない。

DGは決済代行事業および投資事業において大きな可能性を持っているが、経営陣はその真価を発揮できていない。

Ø  決済代行事業を行うフィナンシャルテクノロジー(以下、「FT」という。)セグメントは、競合であるGMOペイメントゲートウェイ株式会社(以下、「GMO PG」という。)に成長面で遅れをとっている。これは、経営陣の注力不足と営業人員のリソース不足によるものであると考える。

Ø  インキュベーションテクノロジー(以下、「IT」という。)セグメントでは、その好調な実績を活かしきれていない。  

オアシスは、DGが完全に独立したDGファイナンシャルテクノロジーとDGインベストメンツという2つの企業体に分割されることで、より強い会社になると考えている。

Ø  本計画では、DGの現在のFTセグメントとマーケティングテクノロジー(以下、「MT」という。)セグメントが、DGファイナンシャルテクノロジーとなり、

Ø  DGの現在のITセグメントとロングタームインキュベーション(以下、「LTI」という。)セグメントが、DGインベストメンツとなる。

FTセグメントとITセグメントは、この新体制のもとでその潜在能力を最大限に発揮することができる。

Ø  DGフィナンシャルテクノロジーを独立させることで、経営陣を当該事業に集中させ、GMO PGとの競争や、日本のキャッシュレス決済へのシフトにより生じる機会を最大限とらえることができる。また、FTセグメントは営業人員を増やし、プロジェクトマネジメント部門を設置し、DGの商品力をアピールするとともに、分野別に特化した営業チームを作るべきである。

Ø  独立したDGインベストメンツは、その優れた実績を生かし、DGインベストメンツとともに継続的な投資機会に投資する第三者資本を調達することができる。これは、独立した事業体であれば、より容易に実現できる。現在、大和証券と、この目的のために、KK DG Daiwa Venturesを設立し、持分法適用連結会社としているが、独立したDGインベストメンツは、さらに第三者資本を集め、事業を拡大することができると考えている。

また、DGの事業は、独立したCEOの全面的な関与によってより成長することができる。DGの会長である林郁氏は、株式会社カカクコム(以下、「カカクコム」という。)の代表取締役会長を兼任しています。林郁氏は、DGのFTセグメントの成長に専念するために、この役職から退くべきである。

DG は資産を豊富に保有しているが、投資家はDGが株主に資本を還元することに確信を持っていない。DGフィナンシャルテクノロジーはキャピタルゲインによる株主還元を重視し、DGインベストメンツは自社株買いや、配当による株主還元を重視すべきである。それにより、投資家に明確なメッセージを送ることができ、株主は、現在のDG の時価総額の61%を占める、カカクコム株式を含む多額の資産に価値を見出すことができるようになる。

また、DGは保有するカカクコム株式を完全に売却する必要がある。

これにより、2025年の税前利益は68億円増加し、株価は+94%上昇すると考えている。

私たちは、DGの経営陣がこれらの提案を真剣に検討し、次回の年次株主総会でスピンオフに関する株主の承認をえることを強く要請する。

 

オアシスは、本件がすべてのステイク・ホルダーが従事すべき、
非常に重要な事柄であると考えています